マルチステージ社会を乗りこなす筋書き / LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略[ リンダ・グラットン ]
マルチステージ社会を乗りこなす筋書き
LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略
リンダ・グラットン / アンドリュー・スコット=著
筆者について
リンダ・グラットン(Lynda Gratton)
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。リバプール大学にて心理学の博士号を取得。ブリティッシュ・エアウェイズのチーフ・サイコロジスト、PAコンサルティグループのダイレクターなどを経て現職。
2年に1度発売される世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。2013年のランキングでは、「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン、「ブルー・オーシャン戦略」のキム&モボルニュ、「リバース・イノベーション」のゴビンダラジャン、競争戦略論の大家ポーターらに次いで14位にランクインした。
2008年、フィナンシャルタイムズ紙より「次の10年で最も大きな変化を生み出しうるビジネス思想家」に選出。2011年、英タイムズ紙の「世界のトップ15ビジネス思想家」の一人に選出。2015年、ロンドン・ビジネススクールのベスト・ティーチャーに選出。
組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創設者であり、85を超える企業と500人のエグゼクティブが参加する「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。
邦訳された『ワーク・シフト』(2013年ビジネス書大賞受賞)、『未来企業』ほか、Living Strategy, Hot Spots, Glowなどの著作があり、20を超える言語に翻訳されている。アンドリュー・スコット(Andrew Scott)
ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副会長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関であるCEPR(Center for Economic Policy Research)のフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。財政政策、債務マネジメント、金融政策、資産市場とリスクシェアリング、開放経済、動学モデルなど、マクロ経済に主要な関心を持つ。
本と手に取る前に知りたかったこと、やりたかったこと
- 100年時代を生きることを正しく理解し備えたい
- 次の5年、10年の具体的目標・アクションを決めたい
良い歳のとり方を知りたい
要点
マルチステージ化する社会
- 長寿化は社会に大きく一大革命をもたらすが、もっとも大きく変わることが求められるのは個人
- マルチステージ化する人生では、上手に移行を重ねることを避けて通れない
- 長寿化する社会において3ステージ型は金銭面で非現実的
雇用
- 「近さ」の価値が上がり優秀な人材が集まり同類婚が増える
- テクノロジーの進化と雇用の変化は読み切れない
- 100年時代には柔軟性・方向転換力・再投資の覚悟が必要
見えない資産「無形資産」
無形資産への投資は形がないだけに慎重に行う必要がある
生産性資産 [ 所得を増やすのに役立つ要素、スキルと知識が主たる構成要素 ]
情熱を燃やせて興味を持てることであるのが賢明
活力資産 [ 肉体的・精神的な健康と幸福のこと ]
勤労期間に無形資産への投資があまりに少ないのはバランスを欠く
変身資産 [ 多くの変化を経験し、変身を遂げるのに必要な資産 ]
変身資産を積極的に築くには自己認識と世界の見方を変更すること
ステージ
エクスプローラー(身軽に俊敏に動き続ける)
旅をすることで、世界を自分を発見する
インディペンデント・プロデューサー(自分の職を生み出す人。一次的なビジネス)
生産活動を通じて、学習することが目的
ポートフォリオ・ワーカー(様々な活動に同時並行で取り組む)
所得の獲得、コミュニティとの関わり、趣味を究めるなどさまざまな活動のバランスを取りながら生きる
シナリオ
- ステージプランと有形・無形資産の上下を想定すればシナリオは見える
- 現状にしっかり目を開き、待ち受けている未来をじっくり検討しなければならない
- 具体的にどのような未来が可能かを創造的に考えなくてはならない
移行期間
- ①エネルギーの再充填…活力資産への投資
- ②自己の再創造…生産性資産への投資を積極的に行う
- 重要な無形の資産への投資が行われるが金銭的資産が減ることは避けられないから、準備しておく必要がある。
変革の意識
- 自分の選択と価値観が人生の出来事・ステージ・移行の順序を決める。それが自己意識・アイデンティティを築く
- 長い人生でが学習教育が一層重要になり、それに多くの時間を費やす人が増える
読書感想
オススメ度:★★★★★★★★☆☆
ビフォー | 100年を生きるには複数のスキルや備えが必要。1つの選択肢に縛られるのはもったいない。 |
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気づき | これまでの社会構造のまま(3ステージ)では100年時代を生きるのは非現実的。 無計画に移行するのではなく、ステージを意識すること。 生きやすさを生み出す無形資産にも大きな価値があるが、生きるための有形資産とのバランスが必須。 まずは未来を創造すること。そのために自己教育・自己投資が大切。 |
TO DO |
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長寿化する未来への不安を形にしてくれた本。100年時代を生きる想定とともにある様々なリスクとその対処案を教えてくれる。
自分の今のステージがインディペンデント・プロデューサーであることをわからせてくれた。徐々にポートフォリオワーカーへシフトするために無形資産を得ていこうと思う。
金銭面の対策も必要だが、この資産形成ブログで必要なお金について未来予想もしていく。
読み進めるには単語がわからない事が多く時間がかかってしまったが、非常に有益な内容がおおい。自分の道を進んでいるけど将来への不安を抱えている人には必ず役に立つだろう。★8つ。
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